2018/03/12

現在も薬剤師のバイトを続けています。もちろん経済的には助かっているのですが、しばしば困ったことが起こります。
そして残念なことに、困ったことが起こる原因は病院だったりするのです。
薬局の在庫には限りがある
スペースに限りがある以上、薬局はこの世に存在する全ての薬をキープしておくことは不可能です。そのため、基本的には近隣の病院で処方される可能性のある薬を中心にキープしています。
しかし、時には遠方の病院からの処方箋が殺到することがあります。門前薬局の臨時休業などで、止むを得ず他の薬局に行く場合などが主な理由ですね。
それでもひとつの薬局は大体1000種以上の薬を持っているのですが、全ての処方箋に即座に対応できるわけではありません。
例えば、整形外科の門前薬局に精神科のマイナーな薬の処方箋が大量に来た場合には、その場で薬を渡すのは難しいです。
そうすると、困るのは患者さんです。
少なくとも珍しい薬を処方する場合には、どこの薬局なら手に入るのかを考える必要があります。
それを考えるのは患者ではなく、医師です。
処方する可能性のある薬については近隣薬局に備蓄を依頼する、患者が多くて閉局時間が過ぎそうなら門前薬局に一報を入れる、いざとなったら院内調剤できるような体制を整えておくなど、患者のためにできることがあるのです。
処方箋を書いただけで治療が始められると思ったら大間違いですよ。最終的に困るのは患者さんです。
処方箋には期限がある
そもそも処方箋をもらってすぐに薬局に行かない人がいるのも不思議だったのですが、処方箋は出された日を含めて4日以内に薬局に出す必要があります。それを過ぎると処方箋は無効になります。
その場合、薬局側ではどうすることもできませんので、再度受診する必要があります。そのため期限切れの処方箋を持って来て、「そんなこと知らなかった」とゴネられることが多々あります。
それでも薬局としては受け付けることができないので、諦めてもらいます。
誰が悪いかといえばすぐに持ってこない患者が悪いのですが、そもそも病院で
「処方箋には期限があるのですぐに薬局に持って行って下さい」
と伝えれば、こうしたトラブルの大半は避けられるはずです。
処方箋を持ってくる患者は薬によって体調をコントロールする必要があるから通院しているのですよね?
医師としても健康を維持してほしいから処方箋を出しているんですよね?
こんなつまらないことで健康を損なうようなことがあれば、それは本当にもったいないです。
治療に向けて良いスタートを切れるように、病院側でもしっかり周知してもらいたいです。
手書き処方箋の字が汚くて読めない
今や多くの病院で電子カルテが導入されており、処方箋もワープロで打ち出されたものがほとんどです。しかし一部の病院からは手書きの処方箋を持ってくる患者さんがいます。
困ったことに、手書き処方箋の文字ってほぼ間違いなく汚いんですね。上手い下手ではなく、非常に読みづらいのです。
時には薬の名前や量の判別がつかず、問い合わせることもあります。種類や量の違う薬を出してしまったら大問題ですからね。
薬学部時代に病院でカルテを見る機会があったのですが、その時もやはり字は汚かったです。事故が起こらないことが不思議でたまりませんでした。
厳しい受験を勝ち抜いてきた医師の方々は基本的には優秀だと思います。その優秀な方々が、どうしてそんな低レベルなことで周りの医療者の負担を増やしてしまうのか、残念でなりません。
もちろん医師の忙しさは理解していますし、少しでも仕事を速くしようとして乱雑な書き方になってしまうのは仕方がないのかもしれません。
そうだとしても、別に達筆である必要はないですが、少なくとも誰もが読める程度には丁寧に書く必要があると思います。
終わりに
薬剤師などの医療職を経て医学部に編入する人は、割と多いように思います。とはいえ、医師全体の割合からすれば、他の職に就くことなくストレートに医師になった人が圧倒的に多いです。
そういう人達は、他の医療職からどういう目で見られているのかをそれほど意識できないのかもしれません。
しかし医師であろうとなかろうと、ひとりぼっちで仕事をしない限りは周囲への気配りが絶対に要求されます。
医師としても薬剤師としても、そういうことまで気が遣える医師と一緒に私は仕事がしたいです。
もちろん自分もそういう医師でありたいと思います。